わたしにとっては入院も久々の休養のような感じで初めは満喫していました。しかしその気持ちもそう長くは続きませんでした。逆にこの休息がわたしを徐々に苦しめるようになってきました。
「いつまで入院しなくてはいけないんだ？」
病状が安定するまでという医師からの説明は受けていたのですが、いったいそれはいつなのかわからない。
「俺がいなくては仕事がまわらず、クライアントに迷惑を掛けてしまう。」
仕事に対する不安や焦燥感が日に日に強くなっていく。それで、退院してもスムーズに生活が出来るように、仕事に戻った生活で規則正しい生活をシュミレーションしてみる。
「ちょっと無理があるかな・・・」
クライアントに迷惑を掛けている。さらに会社に戻っても糖尿病のため、生活に制限される。また生活を制限しなくて、いままでの生活をしていて待っているのは・・・
「死・・・」
さすがに常日頃からポジティブで前向きな考えのわたしも、暗黙の空が迫ってくるようなそんな憂鬱な気持ちでいっぱいになりました。
ここでわたしは２つの間違いをしていたのです。
ひとつめは自分がいないと仕事がまわらないと思っていたこと。しかしそれは言い換えれば、自分の仕事仲間に対して自分以上の成果を期待できない、またはあまり信頼していないということにもなるのです。
確かに仕事仲間に対して迷惑を掛けていることは事実です。しかし、迷惑は元気になってから、いくらでも取り戻す事はできるのです。
この仲間に頼らない男気（？）のある考えは、ある意味、糖尿病にとっては危険な考え方です。糖尿病にならないためには、家族、友人、会社の仲間、医師、栄養士などいろいろな人の力を借りなければなりません。
もうひとつの間違いは「ジタバタしてしまった」ということです。
例えば、クライアントの打ち合わせに、自分の寝坊で電車に乗り遅れたとしましょう。電車に乗ったら目的地まで着くまではどれだけジタバタしても到着は早くなりません。
クライアントに遅れるという連絡を入れたらあとは電車が到着するまで「待つ」ということしかできないのです。
イライラしながら待っても、気持ちを落ち着かせて待っても、到着までの時間を過ごすということは同じなのです。
同じ時間を過ごすなら自分にとっていい気持ちのほうを選択するべきです。分かっていても出来ない。しかしこれをしなくては糖尿病が迫ってきます。なぜか？久々にでてきます。それは
「精神と糖尿病には因果関係がある」
結局、わたしは独りよがりのイライラでストレス・不安だけが溜まり、辛く長い入院生活を送ることになってしまうのです。
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